Greetings of Chairman

理事長のあいさつ
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
理事長 細川 隆司

口腔の健康は全身の健康と密接な関係にあります。生涯にわたって自分の歯で食事を味わうことが健康維持に重要です。お口の中には親知らず(智歯)を除くと本来28本の歯が並んでいますが、歯科界では8020運動といって、80歳になっても自分の歯を20本残す運動を続けてきました。現在80歳の半分以上のかたがこれを達成しています。
多くの人は高齢になるに従って、移動することが不自由になり(ロコモの状態)、特定の病気によらない体力の衰えが増え(フレイルの状態)、様々な病気の進行と相まって徐々に生活機能が低下して一人では身の回りのことをするのが不自由になっていきます(要介護の状態)。要介護で寝たきりになると、介護者が必要となり、さまざまな社会的な負担も増えるため、いかにフレイルを予防するかが問われています。 フレイルの入り口と言われ、早期介入の鍵を握るのがオーラルフレイル(口の機能低下)です。最近の研究結果から、「噛む力を維持することが、フレイル発症を抑制できる」というエビデンス(科学的根拠)が徐々に得られてきています。健康を維持する上で、口の中で機能している歯の数は極めて重要な指標ですが、様々な理由で歯を失っても口腔インプラント治療で機能を補うことによって、フレイルの予防、健康寿命の延伸につながります。
公益社団法人日本口腔インプラント学会は、会員数16,000名を超える世界でも有数の規模の学会であり、かつ日本の歯科系では最大の会員数を擁する学会です。当学会は、国民の皆さまに対して、安心・安全なインプラント医療を提供することを目指して学術活動を行っています。毎年、本部ならびに支部学術大会に併設した市民公開講座を開催して、一般の方々に対するインプラント医療に関する啓蒙活動を行っています。 安心・安全なインプラント医療を提供するには、患者さんの全身状態の把握、術前の検査、治療計画の立案、インプラントの埋入外科手術、入れ歯やブリッジを作る技術、治療後の経過観察や健康管理など通常の歯科治療以上の専門的かつ高度な知識や治療技術が求められます。
公益社団法人日本口腔インプラント学会では、会員の専門知識および技術の向上、そして何より患者様への開かれた情報提供を目的として専門医制度を立ち上げ、研修施設における研修プログラムおよび学会主催の認定研修の履修などを経て、症例報告、筆記試験、口頭試問などに合格した方を専門医に認定し、当学会のHPにて公開しています。また、2023年度に向けて日本歯科専門医機構による認定制度に対応した新しい専門医資格認定制度を構築しつつあり、同機構の認可が下り次第、新制度の運用が始まろうとしております。 歯科インプラントに関する疑問や質問等がありましたらHPからご質問を受け付けております。但し、当学会は学術団体であり医療機関ではありませんので、個別の治療内容等に関するご相談、セカンドオピニオンのご依頼等は受け付けておりません。治療に関するご相談につきましては、この学会HPに掲示しております日本各地の医療機関に設置しているインプラント相談窓口にお問い合わせ下さい。
本ホームページは国民の皆さまにインプラント医療を正しく理解していただくために、情報提供をしています。是非ご活用いただければ幸いです。