公益社団法人 日本口腔インプラント学会
理事長 細川 隆司
本学会は日本歯科医学会の専門分科会の中で名実ともに最大規模の学会として活動し発展してきました。今期の執行部の活動目標は、会員サービスのさらなる向上と、会員の活動を通じて公益社団法人として社会貢献することは当然のことですが、何よりも日本歯科専門医機構の審査・承認による広告可能な新しい専門医制度の確立を最重要課題として取り組んで行く所存です。
昨年(2023年)は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが、5月8日に「5類感染症」に変更されたことなどから、ようやく学会を以前と同じ形式で開催することができました。 札幌で開催された第53回学術大会では、参集して会員の皆様と議論することが叶いました。多くの会員の方々にご参加いただき、深く感謝申し上げます。
本学会は法人格としては公益社団法人ですが、あくまで学術団体として各種事業を行なっています。医学系学術団体としての主要な事業としては、学術講演会の開催、機関誌の発行、そして会員の専門性認定制度の運用が挙げられます。学術講演会については、できるだけ多くの会員が参加できるように魅力あるプログラムの企画を行い、かつ、コロナ禍で普及したオンライン環境を充実させ参加しやすい環境を目指したいと思います。また、本学会は学会発行の学術誌として日本口腔インプラント学会誌と国際誌(IJID)を発行しています。国内向けの学会誌については、学会員が臨床研究や症例報告を投稿しやすい環境整備を図るとともに、総説論文・解説論文を掲載して会員へ有益な情報提供に努めます。国際誌については、投稿料の補助で投稿者の負担を軽減し、可能な限り高いインパクトファクターを維持できるように努力します。認定制度については、本学会が構築してきた認定制度を可能な限り維持しつつ、出来るだけ多くの会員が日本歯科専門医機構の認定するインプラント歯科の専門医資格を取得できるようにして国民の健康増進に貢献すべく尽力したいと思います。
昨年および今年(2024年)の本部学術大会は「国民から信頼される口腔インプラント治療」というメインテーマを掲げています。今年の11月に開催される第54回学術大会(京都)では、阪本貴司大会長(大阪口腔インプラント研究会)のもと、大会サブテーマを「人生100年時代を見据えた口腔機能の維持回復」として、超高齢社会に突入した我が国における口腔インプラント治療を見据え、長寿社会に対して我々がどのような貢献ができるかという課題に対し、さらなる探究を続ける姿勢を示そうとしております。昨年の札幌に続いて、今年の京都(第54回学術大会)においても、できるだけ多くの会員に参加して頂き、実りある学術大会にして頂くことを期待しています。