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口腔顎顔面インプラント治療について (4/6)
Ⅳ. 骨造成 従来から行われている骨造成法方法としては、骨の自家骨移植、GBR法などがある。
骨の採取部位も、オトガイ部、下顎骨の斜線部、上下顎臼後部、腸骨、頸骨などが挙げられる。
オトガイ部の骨採取後、20~30%の頻度で、下顎前歯部の歯や歯肉、下口唇に知覚の異常や麻痺が出現するので、 オトガイ孔からの側枝の分布に十分留意し、骨採取を行う必要がある。
下顎骨の斜線部、臼後部からの骨採取は、骨の採取量も豊富で、骨採取部位の障害も少なく、口腔内の骨採取部位部位としては、最も優れている(図42、43,44)。
腸骨は、最も大量の骨採取が可能であるが、全身麻酔や入院が必要となる(図45)。
頸骨は、骨採取量は多くないが、良質な骨髄採取が可能である。
骨の代替材料としては、牛の焼成骨、β ―TCP、ヒト凍結乾燥脱灰骨などがあるが、現在市販されているこれらの材料はほとんど吸収されずに残存するため、将来口腔内あるいは上顎洞の中に露出し、感染を起こす可能性があるが、移植骨と併用することで、新生骨の石灰化度を高める可能性が示唆されている。
PRP(platelet rich plasma・多血小板血漿)は、血液を分離して得られる血小板の濃度が高い血漿のことである。 このように得られた血漿には通常の3~4倍の血小板が含まれ、PDGF(platelet derived growth factor、 TGF-1(transforming Growth factors beta-1、TGF-β2が豊富に供給することが可能と考えられている。
これらの因子は骨形成における一連の細胞連鎖の鍵になり、骨移植時にPRPを加えることで、骨の再生を促進させることが示唆されている(図46、47、48)。
海外では骨の成長因子として、BMP(Bone Morphogenic Protein)の臨床応用が開始されている。しかし炎症性反応、吸収、骨形成が安定しないなどの問題があり、必ずしも予知性の高い方法とはいい難いのが現状である。
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図48![]() |